追憶 エネルギー・フロンティア

追憶
Pocket

Google x 追憶 = 最強!!!

2017年3月2日。
育児休職2日目にして、臨時出勤になってしまった日。
業務の引き継ぎに2ヶ月以上の月日を費やしたけど、そう簡単には職場を去れない。
残された人達のためにも、もう少し協力してあげる必要がある。

そんなこんなで帰宅は23時。。
嫁さんが晩ご飯を作って待っていてくれた。
いつもは私の隣に座って他愛もない話をしたり、日中の子供達の話をしたりして、リラックスする時間。
この時間が何よりも大切だった。
もう得られる事は無い時間。。

でもこの日は、何だか嫁さんの様子が違った。

原因が良く分からないんだけど、何だかイライラする。
なぜか涙が出てくる。
そんな日だったと言っていました。

こんな病気になってしまって、辛い治療や食事制限を続けていて、将来がどうなるのか分からない。そりゃ誰でも情緒不安定になる。

私だったらもっと泣いてるし、暴れているし、沈んでいると思う。
でもずっと妻は強くていつも気丈に振る舞っていた。すごい人。
だから、今日はいつもと違うのだ。
今、彼女はとても弱っている。

この時ようやく、昨日のCT検査が終わった後の違和感の理由が分かったのです。

現実から目を逸らしていて。喜べないのに喜んだ。
癌は消えない。
治らないんだ。
死ぬんだ。
あれだけ努力して辛さに耐えてきたのに。小さくなったのはほんの1割程度。
いずれ耐性が出来て効かなくなる。あと9回頑張っても10割になんかならない。
もう続ける気力がない。

続けなければ死ぬ。
続けても死ぬ。

袋小路に入った事を理解した。それが妻の涙の理由だった。

新たな対策を考えなければならない。彼女がいなくなるなんて考えられない。
子供達から母親を奪いたくない。何としても生かす。

もはや標準治療だけでは歯が立たない。
また明日から必死で治療方法を探す覚悟。

でも今日は疲れたね。。2人で号泣して。

新たな対策を考える事を彼女に約束した。思いっきり泣いた事で妻も安心したよう。
そして次の日からまた。強い妻に戻ってくれた。

追憶 どこまで、輝けるか。

関連記事