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追憶
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追憶 京橋はええとこだっせ

2017年3月21日。
1回目の抗がん剤治療として2016年12月から続けているmFOLFOX6+アバスチン治療も、この週の木曜日に8クール目を迎えようとしていた。

妻の副作用としては、クールの前半を中心に倦怠感や食欲不振。
そして厄介な手のしびれが出ている。
しかしながら、治療を続けられない程の副作用ではないように見えた。

それは妻の精神力と気丈な性格がそう見せていたのかもしれないが、一見は普通の生活が出来ているようだった。
効く効かない以前の問題である「副作用が辛くて続けられない」といった事はmFOLFOX6+アバスチン治療についてはそこまでは至ってはなく、今のところまだ何とか続けられるのではと感じていた。

ただここに来て意外な敵が現れた。それは「鼻血」。アバスチンの副作用で良く現れるという鼻血が出るようになった。
今までもティッシュで押さえると少し血が付くくらいの出血はあったのですが、この日は、ティッシュで押さえないとタラーリと落ちてくるくらいの勢いて、止まる気配がなかった。
「鼻血」とはいえ、地味に辛いこの副作用。対策用の薬も無く、レーザー治療?のような方法があるようですが一時しのぎでしかないとの事。 
原始的な対策(鼻にティッシュ詰めて指で小鼻を15分ほど抑える)が効いて、何とか止まった。
一番怖いのは鼻血という副作用によるQOLの低下もさることながら、それ以上に、抗がん剤治療が続けられなくなる事だった。
そして、明日から始めるハイパーサーミアにも影響が出るかもしれない。
身体を温めて血行が良くなることで出血が助長される可能性があるという話だから、延期しましょう、なんて事になったら、腫瘍が喜んで暴れ出しそうな嫌な想像をしてしまう。。

あと、外出しづらくなるという意味では「脱毛」と同じか、ウィッグのような対策がないのでそれ以上に厄介かもしれない。
外に出てずっと鼻にティッシュを詰めている人がいたら、大丈夫かと心配されるだろう。

主治医のY先生に相談しながら、今後の治療方針を固めていくしかない。

肝心の妻の機嫌はそんなに悪くなかったけど、鼻の奥にへばり付くようになった血の塊が気になるようだった。

兎にも角にも焦る。気持ちが焦る。
何も起きないで欲しい。望んだ通りの治療をしたい。

そして結果が付いてきて欲しい。ただそれを望むばかり。

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いま、追憶の乱れが問題となっています

上行結腸癌、多発性肝転移、肺転移。これが彼女に告げられた病名だった。
具体的な状態と今後の治療方針は、
原発巣である大腸の癌は、小腸の出口すぐにある。盲腸癌に近い。この箇所に出来るのは稀であり、血便もないため見つかりづらい。
腸閉塞寸前の状態。このままだと食事が取れなくなるので、早急な手術が必要。手術で取り切れるものである。
肝臓と肺の転移は、大きさや数からして手術で取り切れるものではない。大腸の原発巣切除後、抗がん剤治療にて転移巣の縮小を狙う。
というものだった。ステージ4の大腸癌治療としては標準的な物。知識に乏しく、この時は標準治療のレールに乗るしかなかった。
手術を行う病院については、順天堂大学医院を推薦されたが、家から少し距離もあったため、出産でお世話になった帝京大学病院を希望した。
その場で電話で手配してくれて、次の日に教授先生の診察の予約が取れた。
このフットワークの軽さは素晴らしい。良い先生に巡り会えたと思う。
この時の腫瘍マーカーの数字。CEA 3438.5CA19-9 21000
他の方の闘病ブログを拝見する事も良くあったが、こんな大きな数字は見た事がなかった。
巨大な癌が彼女の身体に存在している事を物語っている数字。今となっては勝負が始まった時から相手はあまりに巨大で、勝てる見込みはなかったかもしれない。
でもその時の私は、
とにかく原因が分かった。治療方針も決めた。後は最適な環境で、最速な対応をするために全力を尽くすのみ!この先の治療に向け、強い情熱を燃やしていた。

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